2024/08/02 お知らせ
8月 ボタニカルアート(セイロンケイヒ)
今月のボタニカルアートは、セイロンケイヒです。
セイロンケイヒはクスノキ科に属し、スリランカに自生し、現在では栽培される常緑の高木です。
栽培は幹を伐採し、出て来た脇枝を育て3ー4年後に樹皮を剥ぎ取りコルク層を除去し桂皮とします。
15-17世紀には、桂皮はナツメグ、ペパー、チョウジ等と共に肉類の保存に必須であったため、ヨーロッパ諸国は挙ってスパイスの獲得に鎬を削りました。
桂皮には精油成分が1-3.5%含まれていて、主成分はケイヒアルデヒドです。その他シンカシオール類、プロシアニジン系タンニン、シンナムタンニン類が含まれています。タンニン類は苦みや渋みが強いのですが、プロシアニジンの3量体であるシンナムタンニンB1,D1は甘いタンニンとして単離されました。
経皮はスパイスとしての需要が多い他、芳香性健胃薬、駆風薬として用いられます。
また、安中散、経枝湯、葛根湯、小青竜湯、桂枝茯苓丸等30%以上の漢方薬に配合されます。
本画はカーラーにより1800年末に描かれたものです。