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2025/06/06 お知らせ

6月 ボタニカルアート(ジャガイモ)

今月のボタニカルアートは、ジャガイモです。

 

花を見るとナス科でジャガイモであることが分かります。

ペルー南部からボリビア西部周辺にかけてが原産地と考えられています。

現地では紀元前5000年頃には既に食べられており、紀元500年頃には先住民による栽培が始まりました。

以後メキシコに伝播し、12~16世紀にインカ帝国に栽培が拡大しました。

16世紀前半にはスペインの兵士達がヨーロッパへ導入しましたが、途中船内で芽が出て毒性が高まったことなどが相まって、

有毒説が先行して普及が進みませんでした。ジャガイモの食経験が正確に伝わらなかったことに起因します。

このためヨーロッパで徐々に栽培が拡大し始めた18世紀中期までの約200年間、食用としてのジャガイモの足踏み状態が続き、

フランスの上流社会ではジャガイモを育てその花を鑑賞用としていました。

日本でも同様な事が知られています。

ジャガイモには毒性のあるソラニン等のステロイダルアルカロイドを含んでいます。

特に日に当たるといもや茎の部分が緑化してアルカロイドの生合成が進みその量を増やしてゆくので、

中毒症状を起こし易くなります。

一方では生体でステロイダルアルカロイドはステロイドホルモンへと変換するので体に良いと言う説もあります。

 

本画の作者や年代は不明ですが、ジャガイモの花をあしらった女性達がジャガイモをふかして食べようとしている感じから18世紀中期以降に描かれたことは間違いないと思われます。

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